12人の気管支喘息患者に室内塵吸入誘発試験を行い, 出現した気管支反応にβ刺激剤を使用し, その前後の肺機能を helium flow volume curve を用いて測定し, 閉塞部位を検討した.FEV_<1.0>, PFR, V_<50>, V_<25>などは, IAR, LAR出現時共に減少していたが, β刺激剤使用後は LAR より IAR において有意に増加した.ΔV_<50>は LAR より IAR の方に高く, β刺激剤使用後は, LAR では増加せず IAR で有意に増加した.逆に Visov においては, IAR より LAR において有意に増加しており, β刺激剤使用後も LAR においては減少せず, そのまま増加傾向を示した症例が多かった.これらの結果は, IAR の閉塞部位は large air way 及び small air wayの両者に認められ, 気管支平滑筋のれん縮が主たる成因であり, LAR の閉塞部位は主として small air way で粘膜の浮腫や分泌物の貯留などが重要な役割を果たしていると推察される.
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