気管支喘息患者におけるα溶連菌アレルギーについての検討を行った.超音波破壊したα溶連菌の超遠沈上清成分(α-st-s)を用いて, RAST, 吸入誘発試験(BPT), skin testを行い, 下記の結果を得た.1)487名の気管支喘息患者血清に対し, RASTを行った結果, 11%の55名に陽性所見が得られ, その内の25名にBPTを行ったところ, 23名が陽性であった.2)α-st-sによるRASTとBPT, skin testとBPT, RASTとskin testの一致率は, それぞれ, 69.4%, 56.3%, 76.9%であった.3)skin test陽性者, BPT陽性者のRASTは, 陰性者に比し, それぞれ, 有意な高値を示した.4)α-st-sとHDとは独立して感作されると思われるが, 軽度の交叉反応性を有する症例も存在した.以上の結果より, α溶連菌をアレルゲンとする気管支喘息患者の存在が示唆された.
抄録全体を表示