トレッドミルによる運動負荷前, 5分後の呼吸機能と負荷前, 直後および20分後の血中のエフェクターの測定を行い, 以下に示す結果を得た.1.運動5分後に15%以上の低下はFVC 8例中3例, FEV_<1.0> 8例中4例, PFR8例中5例であった.2.ヒスタミンは直後に8例中7例が上昇した.平均値は0.024±0.008, 0.029±0.009, 0.020±0.008(μg/ml)であった.t検定で直後に傾向差(p<0.1)を示した.3.血小板HPETE+HETEは直後に6例が上昇, 20分後に7例が上昇した.平均値は13.5±6.4, 15.6±6.4, 18.6±9.6(% total cpm), t検定で20分後に傾向差を示した.白血球では直後に4例, 20分後7例が上昇した.平均値は19.2±6.2, 19.2±6.5, 19.9±6.4(% total cpm)となった.有意差は示さなかった.4.血小板TXB_2は直後に6例が低下, 20分後は6例が低下した.平均値は2.5±1.0, 1.6±0.8, 1.7±1.0(ng/10^5 cells)であった.t検定で直後に傾向差(p<1.0)を示した.白血球は直後に6例が低下, 20分後に5例が低下した.平均値は2.9±0.5, 2.2±0.8, 2.5±1.0(ng/10^4cells)であった.t検定で直後に傾向差(p<1.0)を示した.5.cAMPは直後に全例が上昇, 20分後に負荷前の近傍に集った.平均値は24.4±8.8, 29.1±12.2, 26.6±12.2(PM/ml)となった.以上の変動から運動はfreeなアラキドン酸産生を刺激し, 続いてヒスタミン, LTの産生がEIBの形成と持続に関与することが考えられた.cAMPはmodulatorとなっていると考えられた.
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