Aspergillusは種々の肺疾患との関連で注目されており, allergic bronchopulmonary aspergillosis(ABPA)とaspergillomaにおける液性並びに細胞性免疫能を検討する目的で, Aspergillus fumigatus(Af)抗原に対する皮内反応, 沈降抗体, specific IgG定量, lymphoyte blastogenesis を各々行った.Af抗原による皮内反応では即時型, 遅発型, 遅延型反応が種々の程度に認められたが, 即時型反応とspecific IgE, 遅発型反応とspecific IgGとの関連は一定ではなかった.一方, 沈降抗体強陽性例におけるspecific IgGは高値となる傾向を示し, 遅延型反応陽性あるいはPPD陰性例ではSpecific IgG高値となりlymphocyte blastogenesisも亢進する傾向が認められた.specific IgGとlymphocyte blastogenesisとは有意の相関を示し, ABPAとaspergillomaにおいてIII型アレルギーとIV型アレルギーが関連して関与していると思われた.さらにABPAの肺局所リンパ球は同一症例の末梢血中リンパ球に比べ, より高い反応性を示していた.
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