研究目的:気管支喘息患者25名を対象として, 気道過敏性とアラキドン酸代謝系の関係について検討した.方法:選択的トロンボキサン合成酵素阻害剤であるOKY-046, 選択的5-リポキシゲナーゼ阻害剤であるAA-861およびサイクロオキシゲナーゼ阻害剤であるインドメサシンの内服投与前後で, アセチルコリンに対する気道過敏性(PC_<20>-FEV_<1.0>, PC_<35>-1/Zrs)を測定した.結果:OKY-046, AA-861およびインドメサシン投与前後で, 呼吸機能は変化しなかった.OKY-046投与により, PC_<20>-FEV_<1.0>は0.55mg/ml(GSEM, 1.48)から2.24mg/dl(GSEM, 1.51)へ有意(p<0.01)に増加し, PC_<35>-1/Zrsも0.83mg/ml(GSEM, 1.35)から2.04mg/ml(GSEM, 1.55)へ有意(p<0.001)に増加した.AA-861投与によって, PC_<20>-FEV_<1.0>およびPC_<35>-1/Zrsは変化しなかった.インドメサシン投与によって, PC_<20>-FEV_<1.0>は0.49mg/ml(GSEM, 1.41)から0.68mg/ml(GESM, 1.32)へと有意な変化を認めなかったが, PC_<35>-1/Zrsは0.62mg/ml(GSEM, 1.35)から0.93mg/ml(GSEM, 1.32)へ有意(p<0.05)の増加を認めた.
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