減感作療法を施行した気管支喘息児77名に, 療法開始前より維持量に達するまでの期間10週毎に, IgE(RIST), 好酸球数, IgGを測定し, 全例3因子別に, 回帰関数処理を施行し検討した.3因子連動パターンは, 著明改善群(著改群)・改善群のみは12型, 不変群のみは4型, 両群共通型は4型であった.次に著改, 改善, 不変群別に, 回帰関数の傾きと初値を統計処理し検討すると, IgEの傾きの値(tanθ)は, 著改群7.3±26.2, 改善群26.3±29.2, 不変群26.3±26.4となり, 著改群では有意に低値を示した.好酸球数のtanθは, 著改群-28.5±43.5, 改善群-30.4±34.3に対して, 不変群-9.7±38.8と有意に高値であった.初値に関しては, 傾きが正の群と負の群に分けて検討したところ, IgGにて傾きが正の群に関し, 著改・改善群の初値は, 不変群に比し有意に低く, 負の群では逆に高値であった.好酸球数の初値は, 傾きが正の群にて, 不変群が他の2群に比し有意に高値であった.以上より, 3因子別回帰関数処理化は, 改善度を検討するのに有用と思われた.
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