今回我々は, 全血ルミノール依存性化学発光法を用いて小児気管支喘息における好中球活性酸素生成能を検討し, 以下の結果を得た.1)単位好中球あたりのピーク値に関する検討では, 正常群(n=9)と比較してウイルス感染症(n=7)では有意差は認められず, 喘息発作時(n=17, p<0.005), 非発作時(n=19, p<0.01), アトピー性皮膚炎(n=4, p<0.025), 細菌感染症例(n=3, p<0.025)において高値を示した.2)同一個人において, 感染症を伴わない喘息児の発作時と非発作時のピーク時間の検討では, 発作時が非発作時に比べ有意に低値を示し(n=9, p<0.05), 単位好中球数あたりのピーク値の検討では, 発作時は非発作時に比べ有意に高値を示した(n=9, p<0.01).このことから, 喘息発作時に好中球活性酸素生成能が亢進する可能性が考えられた.
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