気管支喘息児152名, 健康小児216名, 健康成人30名, 〓帯血30検体の血清抗ダニ(Dermatophagoides farinae)IgG, IgM, IgA, IgE抗体をマイクロプレートELISAにて測定し, 月齢別, 年齢別推移を検討した.1)健康児での抗ダニIgG抗体は, 〓帯血で成人値と同レベルを示し, 生後4-5カ月まで低下して最低値となり, 以後5-6歳まで徐々に増加した.抗ダニIgM抗体は一部の〓帯血で陽性のものがみられたが, 生後0-1カ月時に最低値をとり, 生後9-11カ月まで急増し, 1-5歳でピークを示した.抗ダニIgA抗体は, 生後4-5カ月より上昇が始まり, 生後9-11カ月まで急増し, その後はほぼプラトーであった.抗ダニIgE抗体は全年齢で低値を示した.2)気管支喘息児では, 抗ダニIgG, IgA, IgE抗体が, 1-2歳以後の全年齢群で, 健康対照児に比し有意に高値を示した.抗ダニIgM抗体は, いずれの年齢群でも対照群と差がみられなかった.3)両群における血清抗ダニ抗体の反応の違いは, 気道粘膜面での抗ダニIgE抗体を介したアレルギー反応の有無によるものと推察された.
抄録全体を表示