3歳以下の乳幼児の気道過敏性(以下過敏性)を経皮的酸素分圧値を指標とし, ヒスタミン閾値をもって測定し, その臨床的意義を検討した.対象は延べ164名(実数128名), 気管支喘息(疑い例10名を含む)98名, アトピー性皮膚炎37名, アレルギー性鼻炎3名, 呼吸器感染症罹患後10名, 慢性咳嗽8名, 対照8名.喘息(p<0.001), 皮膚炎(p<0.01), 鼻炎群(p<0.05)では, 対照に比して有意に過敏性が亢進していた.喘息群で, 過敏性が正常域にあった者は98名中35名で, そのうち喘息疑い例8名, 喘息疑いより喘息移行後に過敏性が亢進した例2名, 観察中1回以上過敏性亢進状態にあった例19名であった.皮膚炎群で, 過敏性が亢進していた者は37名中18名で, その内5名は喘息に移行し, 6名は喘息の家族歴があった.呼吸器感染症罹患後, 慢性咳嗽群にも過敏性が亢進している症例があった.以下より, 3歳以下の乳幼児の過敏性の臨床的意味付けは可能であると思われるが, 個人としては未だ固定化されておらず, 経時的測定によって, より正確な判断が必要であると考えられた.
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