我々は, アトピー性皮膚炎患児における0歳診断時のアレルギー諸因子を検討し, その意義を考えることにした.対象はアトピー性皮膚炎患児69名, 喘鳴児21名, 蕁麻疹3名, 牛乳胃腸管アレルギー児1名, 計94名であった.検討の結果, 以下の事実が認められた.1)多変量解析数量化II類によるレンジ率相対比をみると, アトピー性皮膚炎の有無については, D.f.RAST値, アレルギー家族歴, 卵白RAST値などが強い影響力を有していることが認められた.2)数量化III類にて更に検討を進めると, アトピー性皮膚炎群に対して, 母方並びに一親等にアレルギー歴を有する群, IgE RIST値が61IU/ml以上の群, 好酸球値401/mm^3以上の群, 卵白・D.f.RAST値が0.70PRU/ml以上の群, 計6群が密接な関係を有していることが認められ, アトピー性皮膚炎の病態に対する関連性が強く示唆された.
抄録全体を表示