小児気管支喘息を対象に, MAST法でアレルゲン35種類の特異的IgE抗体を測定し, アレルゲン間の陽性一致率ならびに階層的クラスター分析を行い, アレルゲン間の関連性を検討した. 各アレルゲン間の陽性一致率は, 吸入性アレルゲンでは, ハウスグストとダニ, 真菌5種類間, ネコ上皮とイヌ上皮, ヨモギとニガヨモギ, イネ科植物5種類の間で比較的高く, 食物アレルゲンでは同一個体の重複感作が多く, 一般に高い陽性一致率を示したが, 中でも牛乳とチーズ・カゼイン, 穀類の間に高い陽性一致率であった. クラスター分析では, ハウスダストとダニは独立した大きなクラスターを形成した. その他の32種類のアレルゲンのデンドログラムから, (1) ブタクサ, (2) ヨモギ・ニガヨモギ, (3) オオアワガエリ・ハルガヤ・シラケガケ・ライ麦, (4) 小麦・大麦・米, (5) 真菌類, (6) 牛乳・カゼイン・大豆・チーズ, (7) エビ・カニ, (8) 卵白, (9) ニホンスギ, (10) イヌ上皮, (11) ネコ上皮, のクラスターに分類できた. さらにイネ科植物と穀類のクラスターは融合して1つのクラスターを形成した.
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