新しいアレルゲン特異的IgE抗体測定法であるオリトンIgEキットがアレルゲン特異的IgE抗体のスクリーニング法として有用か否かを検討する目的で, 11種類のアレルゲン (ハウスダスト2, コナヒョウヒダニ, スギ, ブタクサ, 卵白, 牛乳, ネコ上皮, イヌ上皮, カンジダ, アルテルナリア, アスペルギルス) に対するIgE抗体を測定し, 皮内反応およびRASTとの比較を行った. 対象はアレルギー患者103例, 健常者10例であった. その結果, オリトンIgEによる特異的IgE抗体の測定では, RASTとの間に相関係数0.76 (p<0.01), 全体一致率85.9%と良好な相関が認められた. 特に, コナヒョウヒダニ, スギ, ブタクサ, 卵白, カンジダの5項目において両者の相関係数が0.7以上を示し良好であった. また, オリトンIgEの皮内反応に対する一致率は71.8%, 感度は45.3%, 特異性は87.8%であった. 感度は本法が, 特異性ではRASTがやや優れていると思われたが, いずれも明らかな差は認められなかった. また, 一致率はRASTとほぼ同程度であった. これらのことから, オリトンIgEはアレルゲン特異的IgE抗体のスクリーニングに有用性の高いものであることが示唆された.
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