気管支喘息発作におけるロイコトリエン(LT)の役割を明らかにする目的で, LTC_4, D_4, E_4, B_4を, 発作時の静脈血を用いて同時に測定し検討した. 25例の気管支喘息患者(アトピー型15例, 非アトピー型10例)と4例の健常者を対象とした. 発作時に来院した患者から, 治療前にヘパリン加採血を行い, エタノールに抽出後, Sep-Pakカラムで部分精製し, HPLC-RIA法で定量した. 健常者では, LTは, 検出限界以下であった. 喘息発作時の静脈血中LTC_4, D_4, E_4, B_4はそれぞれ100±179, 88±116, 479±291, 55±73 (Mean±SD) pg/mlであった. ペプチドLTは発作寛解時には, 検出限界以下であった. 中発作時のLTD_4は, 小発作時に比べ有意に(p<0.05)高値であった. ペプチドLT全体としても小発作に比し中発作で高い傾向を示したが, 有意差はなかった. アトピー型と非アトピー型の比較では, 発作時の各LTに差を認めなかった. ペプチドLT, LTB_4ともにアトピー型, 非アトピー型のどちらにおいても, 喘息発作のメディエーターの一つとして作用していることが示唆された.
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