選択的TXA_2合成阻害薬の塩酸オザグレノレは口諾息患者の気道過敏性を改善することが知られている. またDSCGはアトピー型喘息には多く用いられているが, 非アトピー型喘息にはあまり用いられていない. 今回, 我々は塩酸オザグレルとDSCGの併用療法の非アトピー型喘息に対する効果を検討した. 外来患者を封筒法にて観察期間の後に, (1) 塩酸オザグレルを4週間投与し, ついでDSCGを4週間併用した群, (2) DSCGを4週間投与し, さらに塩酸オザグレルを4週間併用投与した群, に分けた. 観察期間, 試験薬剤投与4週後, 8週後に喀痰中のメディエーターとしてTXB_2, PGF_<2α>, 6-keto・PGF_<1α>, 尿中11-dehydro TXB_2を測定した. 塩酸オザグレルは喀痰中のTXB_2, PGF_<2α>, 尿中11-dehydro TXB_2を抑制した. 塩酸オザグレルは喀痰中PGE_2を増加させる傾向がみられた. DSCGは喀疾中メディエーターに影響を与えなかった. 発作点数, PFともに塩酸オザグレル, DSCGの単剤投与により2剤併用の方が効果がみられた. これらの結果から塩酸オザグレルとDSCGの併用は非アトピー型喘息に対して有効と考えられた.
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