目的 : 我々は感作ウサギにおいて過換気負荷気道収縮 (HIB) を認め, このHIBにヒスタミンが関与していることを報告してきた. 今回, HIBにおける副交感神経系の関与について検討するため, アトロピン前投与群, 迷走神経切離群, について検討した. 方法 : 卵白アルブミンで感作した日本白色ウサギを麻酔後, バンクロニウムで筋弛緩させ, 機械換気 (TV : 7ml/kg, RR : 40回/min) を行った. ウサギは, 1) コントロール群 (1群, n=7), 2) アトロピン前投与群 (II群, n=6), 3) 迷走神経切離群 (III群, n=6), の3群に分け, 処置は過換気負荷前に行った. 過換気負荷は, 5%CO_2を含む乾燥空気を, TV : 7ml/kg, RR : 120回/minで15分間行った. 負荷前, 直後, 5分, 15分, 30分後に肺抵抗 (R_L), 動肺コンプライアンス (C_<dyn>)を測定した. 成績 : 最大変化時の平均値 (max%R_L) で表した. max%R_LはI群では49%, II群では-9%, III群では-8%で, アトロピン投与時, 迷走神経切離時に, コントロールに比べて有意に抑制された. また, max%C_<dyn>はI群では-12%, II群では-9%, III群では-15%で, 各群で有意差を認めなかった. 結論 : 感作ウサギのHIBにおいて副交感神経系の関与が示唆された.
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