卵白アルブミン感作モルモットに対する抗原暴露による気道収縮反応に及ぼす低分子ヘパリン (LMWH) の効果について検討した. ハートレー系モルモットを用い, 卵白アルプミン感作による二相性喘層, モデルを作成し, 呼吸抵抗を経時的に測定し気道反応性を検討した. またBALF, 組織学的検討を加えた. LMWH吸入により, 抗原暴露後の呼吸抵抗は, 生食吸入に比べ, 即時型気道反応においては, 8分を除く1分から9分, また遅発型気道反応においては4時間目および7時間目以降24時間目まで有意な抑制を認めた. また即時型気道反応において, 最大収縮に至る時間も5.3±4.6分から9.6±4.3分へと有意な延長をきたした. LMWH吸入は, BALFでは生食吸入に比べ好酸球の減少 (8.2±0.4%→5.5±1.2%, p<0.01), また組織学的検討でも好酸球数の浸潤の減少(155±15.8→71.0±7.3, p<0.01)を認めた. 以上より, LMWHは抗原暴露後気道収縮反応および好酸球の浸潤を抑制し, 気管支喘息に対する防御因子として重要であると考えられた.
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