単球, マクロファージの分化誘導を司るサイトカインの一つであるM-CSFと補体関連膜蛋白の発現を検討した. in vitroで末梢血白血球浮遊液にM-CSF, あるいは陽性対照としてC5aを添加し, 補体関連膜蛋白としてCR1, CR3, MCP, DAFの変化をフローサイトメーターを用いて調べた. 好中球ではM-CSF添加刺激によってCR3 (CD11b/CD18)が有意に増加した. 単球ではM-CSF添加後CR1 (CD35), CR3 (CD11b/CD18), MCP (CD46), DAF (CD55)の全てが増加を示した. 一方, C5a添加では, 好中球CR1, CR3, DAFの増加が認められたが, 単球では発現に有意な変化を認めなかった. 補体関連膜蛋白の発現増殖因子として, C5aは好中球に対し特異性が高く, M-CSFは単球に特異性が高いこと, またその作用は, CR1, CR3などの補体レセプターのみならず, MCP, DAFなど補体制御膜蛋白の発現増強作用も示すことが判明した.
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