Churg-Strauss症候群(CSS) 5例(男3, 女2, 平均年齢53.8±15.6歳)について, その臨床像, 検査データ等の検討を行った. 症状は, 5例全例に多発単神経炎としての上下肢の筋力および感覚低下を認め, 2例に消化器症状, 2例に皮膚症状(紫斑)を認めた. 末梢血好酸球は全例で増加し(4870±3319/mm^3), 2例において測定した血清ECP値もいずれも高値を示したが, ステロイド治療により, すみやかに正常化し, 症状も軽快した. 喘息については, 平均17.2年の罹病期間で, 4例がアトピー型, 1例が非アトピー型であった. 従来, CSSは喘息症状の重症増悪期に発症することが多く報告されているが, 自験5例中, 重症度は重症1例, 中等症2例, 軽度2例であった. さらに, 血管炎症状発症時に喘息発作が認められたのは, 2例のみで, 他は寛解期であった. CSSは, 全身の血管におけるアレルギー性炎症を呈する喘息の合併症であるが, その病態は, 必ずしも喘息症状と並行するものでないことが示された.
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