ビーグル犬を用いて, 呼吸抵抗, 気道反応性, 心拍数, 呼吸数に対するtheophylline及びdoxofylline の影響について検討した. theophyllineはおよそ1週間の間隔で10mg/kg, 20mg/kg及び40mg/kgを経口投与し, 呼吸抵抗, 気道反応性, 心拍数, 呼吸数を測定し, controlと比較した. 引き続いて同じビーグル犬を用いて, doxofylline 20mg/kg, 40mg/kg及び80mg/kg経口投与による呼吸抵抗, 気道反応性, 心拍数, 呼吸数への影響を観察した. 吸入methacholineに対する気道反応性は, 7Hz oscillation 法によるアストグラフにより測定した. 初期呼吸抵抗はtheophylline 40mg/kg投与後に有意に低下したが(p<0.01), doxofylline投与では全ての用量において有意な低下は認められなかった. 気道反応性はtheophylline投与では40mg/kg投与後に有意な低下が認められたが(p<0.01), doxofylline投与では40mg/kg (p<0.05)及び80mg/kg (p<0.01)投与で有意に低下し, 用量依存性が認められた. 心拍数はtheophylline 10mg/kg投与より用量依存的に増加し(p<0.01), 40mg/kg投与後にはcontrol と比較し2倍以上に増加した. doxofylline投与では20mg/kg及び40mg/kg投与においては心拍数への明らかな影響はなく, 80mg/kg投与後に40%程度の増加が認められた(p<0.01). 呼吸数はtheophylline投与では40mg/kg投与後に有意に増加したが(p<0.05), doxofylline投与では全ての用量において有意な増加は認められなかった. 以上の結果より, doxofyllineはtheophyllineに比較し, より心拍数, 呼吸数への影響が少ない用量において気道反応性を低下させることが示された.
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