気管支喘息患者における, スポット尿中eosinophil protein X(EPX)測定の意義を評価するため, 抗喘息薬投与中の安定している気管支喘息患者32名および健常者10名を対象に基礎的検討を行い, 以下の成績を得た.1)喘息患者における, 末梢血好酸球数, スポット尿中EPX(u-EPX), leukotriene E_4(u-LTE_4), および血清eosinophil cationic protein(s-ECP)は, いずれも健常者に比し有意に高値を呈していた.2)喘息型や重症度によるu-EPX値の差異は認められなかった.3)u-EPX値と末梢血好酸球数とは相関したが, s-ECP値と末梢血好酸球数とは相関せず, u-EPX値とs-ECP値とは相関しなかった.4)u-EPX値は, u-LTE_4値とも相関せず, また%FEV_1, 気道過敏性とも相関しなかった.スポット尿中EPXは, 気管支喘息患者における好酸球活性化状態を知る, 有用な指標となり得る可能性が示唆された.
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