アレルギー性鼻炎の有症率が市街地, 農村地, 漁村地, において如何なる違いがあるか, 1996年10月にアンケート調査により検討した.対象地区として市街地は広島市内の三菱重工職員住宅地区において, 農村地は広島県山県郡加計町町民全員を対象に, 又漁村地は三重県鳥羽市答志島の桃取町及び答志町の島に在住している町民全員についてアンケート調査をおこなった.その結果, 市街地370名/1036名(35.7%), 農村地266/966(27.5%), 漁村地273/2112(12.9%), 成人では市街地314/868(36.2%), 農村地137/474(28.90%), 漁村地199/1649(12.07%), 小児では市街地56/168(33.3%), 農村地129/492(26.22%), 漁村地74/463(15.98%)であった.又春のみ症状を訴えた方は, 市街地180/1036(17.37%), 農村地133/966(13.77%), 漁村地55/2112(2.60%), といずれの場合においてもp<0.0001で有意差を認めた.以上のようにアレルギー性鼻炎の有症率は市街地が最も高く, 次いで農山村地区, 最も低かったのは漁村地区であることが明らかとなった.
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