小児気管支喘息を持つ親又は保護者が記入する,身体,社会,家族,感情,個人の発展の5つの項目からなるQOL (quality of life)調査票を作成した.回答は最大の支障を1点,支障なしの5点の5段階評価とし,4歳未満は23問,4歳以上は31問とした.本報告は初診時のデータに基づき,反復再現性等の信頼性,因子的妥当性を検討した.2週間発作発現の回数が安定していた喘息患児,4歳未満8例,4歳以上26例の級内相関係数は0.879,0.793を示し,再現性を示した,喘息患児102例,健常児40例,感冒等の罹病中の非喘息患児12例のQOL総合点のCronbachαは0.6329〜0.8829で内的一貫性を示した、喘息患児の個人の発展項目以外の身体,社会,家族,感情との関連質問の回答は健常児と比べ有意(p<0.05)に低下した.因子分析により,QOLを構成する5つの項目および項目内の各機能が累積寄与率60%以上で確認され,本QOL調査票は再現性,構成上の信頼性,因子的妥当性を有し,経時的な治療法のなかで調査票の適用が可能と考えられ,喘息管理と治療目標のあり方を検討する上で有用な調査票と考えられた.
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