患者が正しく喘息の病態を理解し,規則的に正しい服薬また吸入法を修得することは,喘息の治療効果を上げるために必須のことである.今回,吸入ステロイド薬(BDP)にて治療中の気管支喘息患者39例を対象とし,丁寧に服薬指導を中心とした患者教育を行い,その効果の客観的評価指標としてQOLを調査した.QOL調査(SF-36,MarksらのAQLQ)は,初回患者教育実施前と2カ月後の2回行った.服薬指導を今後も受けたいと答えた患者が32人(82.0%)で,この患者群では服薬指導の前後でasthma specific moduleの全般的な改善傾向を認め,特にSocial,Concerns,Marks,Scalesで有意な改善を認めた.服薬指導を今後希望しないと答えた患者でも,QOLの改善を認め,患者が積極的に希望するか否かにかかわらず服薬指導は効果があると考えられた.患者教育の効果がQOLの改善として客観的に示された.
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