目的:ディスクヘラーの操作性と,吸入手技に影響を及ぼす患者因子を知る目的で本研究を行った.方法:成人気管支喘息患者104名を対象に,ディスクヘラーの吸入手技を評価した.年齢,性別,metered dose inhaler(MDI)の使用経験の有無,罹患年数について,吸入手技に差が認められるかをロジスティック回帰分析で解析した.結果:吸入手技全ての項目を正しく行なえた割合は47%,必須項目を正しく行えた割合69%であった.過ちが多い項目は「5秒間の息止め」(63%)と「力強い深い呼気」(69%)であった.吸入が正しく行なえない相対リスクは年齢1.000,性別(女性)1.341,MDIの使用経験がないこと1.707,罹患年数0.991であったが,いずれも統計学的には有意ではなかった.結論:ディスクヘラーの吸入を指導する際は,「5秒間の息止め」と「力強い深い呼気」は特に強調して指導する必要があると思われた.
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