目的:吸入ステロイド剤budesonide^[○!R](BUD)は,欧米にて高い臨床評価を得ているが,fluticasone propionate^[○!R](FP)やbeclomethasone dipropionate^[○!R](BDP)からBUDに切換えた際,BUD継続を希望しない高齢患者を日常臨床上多く経験した為,患者調査した.方法:65歳以上の喘息患者45名(前FP群23名,前BDP群22名)を対象にBUDに切換え,2週後のアンケート調査,切換え前後の操作手技確認・1吸入所要時間・ピークフロー値・咽頭カンジダ培養結果を比較検討した.結果:両群の多くの患者が前葉より操作が簡便と答え,早期に操作慣れしたが,7割以上が吸入実感の無い事に不安を感じ,様々な誤操作も確認された.前後のピークフロー値・カンジダ検出率に有意差はないが,両群とも約4割の副作用を認めた.BUDを最終選択した者は,65歳〜74歳の前FP群50.0%,前BDP群38.9%,75歳以上で各々8.3%,20.0%であった.結語:高齢患者の吸入剤の選択基準は,操作の簡便性・慣れのみならず,より良い吸入感に基づく安心感も重要となる.
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