患者の立場からの医療効果の評価は最近重要視され, 調査は質問紙法で行われている. 患者満足度調査票も評価の一手段であるが, QOLに比し疾患特異的, 診療包括的で, 臨床に有用な, 妥当性試験を満足する調査票に乏しい. われわれはこの目的に合ったアレルギー性鼻炎用調査票の開発を試みた. 調査票は患者の意見, 文献から収集, 選択された17項目の質問と満足度関連質問3項目計20からなる. スギ花粉症患者603人のうち2003年受療歴をもつ214人を無作為抽出し, 2004年春, 郵送法で調査した. 有効回答率は65.3%であった. 因子分析で医師患者関係, 治療効果, 快適性, 利便性に分析され, 満足度との相関係数は医師患者関係, 治療効果に高かった. 応答性, 信頼性, 構成妥当性, 収束弁別妥当性, good-poor analysisなど国際的標準を満足し, 有用性が実証された. 疾病構造の変化, 一般の医学知識の向上, 人権意識の重視に伴い診療効果の評価に患者の主観が導入され, インフォームドコンセント, 生活の質(QOL), 情報開示などと共に患者満足度patient satisfaction(PS)が新しいパラダイムとして提唱されている.
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