【背景・目的】果物アレルギーは, 特に成人例では単独で感作が生じる場合は比較的稀であり, 多くは花粉類またはラテックスとの交叉反応により発症に至る.しかし, 花粉アレルギーとラテックスアレルギーとの間の関連性については未だ明らかではなく, このような点に関する検討を加える事を目的とした.【方法】花粉類および果物類に対するアレルギー症状を有するものの, ラテックスに対しては臨床的にはアレルギーの既往を有さない症例に対して, ラテックスの特異的IgE抗体の測定およびプリックテストを施行した.【結果】その結果, このような症例中にはしばしばラテックスの特異的IgEおよびプリックテストが陽性を示すケースが存在しており, 今回そのような経過の4症例を報告する.【結語】花粉類および果物類に対してアレルギー症状を有する症例に対しては, ラテックスアレルギーに関する検討を加えるべきである.さらに, ラテックス陽性を示した場合には, 1)交叉反応性に関わる主要抗原は何か, 2)患者が引き続きラテックスとの接触を続けていった場合にはどうなるのか等の問題点を明らかにしていく事が望まれる.
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