【背景】乳幼児の喘息発作に対するステロイド薬の有効性については, 十分な検討がされていない.今回重症発作で入院した乳幼児に対するプレドニゾロン注射薬の上乗せ効果を検討した.【対象】気管支喘息発作で入院し, 低用量イソプロテレノール持続吸入療法(以下持続吸入と略)を実施した0〜5歳の患児62症例(男35症例, 女27症例, 平均年齢36.3カ月)を対象とした.【方法】これらの症例をプレドニゾロン注射薬(以下PSLと略)使用群31症例(PSLは持続吸入開始時に1回目を投与, 1mg〜3mg/kg/日, 分3, 3日間投与)と未使用群31症例とに無作為に振り分け, 経時的にWood score, 心拍数, 呼吸数を記録した.【結果】両群とも持続吸入を施行することにより, 心拍数, 呼吸数, クリニカルスコアの改善がみられたが, PSL使用群でより早期の改善が認められた.しかし持続吸入施行時間, 点滴持続時間, 入院日数などの臨床指標については両群で差が認められなかった.【結語】PSL使用により, 心拍数, 呼吸数のより速やかな改善がみられたが, 患児の臨床経過に大きな上乗せ効果はみられなかった.
抄録全体を表示