62歳, 女性.既往歴として慢性関節リウマチ, バセドウ病, 不整脈があり, 抗リウマチ薬や抗不整脈薬などを内服していた.皮脂欠乏性湿疹にてパモ酸ヒドロキシジンの内服を開始し, 2日後より四肢および体幹に〓痒を伴う紅斑, 丘疹がびまん性に出現し, 徐々に拡大した.血液検査では好酸球の増加がみられ, 組織学的には真皮上層にリンパ球を主体とする軽度の炎症細胞浸潤を認めた.経過から薬疹を疑い, 原因として疑わしい薬剤を中止し, ステロイドおよび抗アレルギー薬の内服, 副腎皮質ステロイド外用を行ったところ, 皮疹は軽快傾向を示し, 約2週間後には色素沈着を残して消退した.後日被疑薬のパッチテストを施行し, パモ酸ヒドロキシジンが陽性であり, 塩酸ヒドロキシジンについても陽性であったことから, パモ酸ヒドロキシジン中のヒドロキシジンによる薬疹と診断した.
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