【目的】テオフィリン投与中に痙攣を発症した症例のうち,テオフィリン中毒例の特徴を見いだすことを目的とした.【方法】1987年10月から2004年4月までに報告された,テオフィリン投与中に痙攣を発症した症例334例(経口剤255例,静注剤79例)から,痙攣発症時の実測または推定テオフィリン血中濃度が40μg/mL以上であった15例を抽出し,患者背景,薬剤投与状況,テオフィリン血中濃度,痙攣重積の有無,転帰を検討した.【結果】低年齢児,発熱していた症例が多く,その両方を併せ持つ症例は15例中8例であった また,投与量が判明している症例のほとんどは,現在推奨されている投与量の目安を超えており,中には処方及び調剤ミスや投与及び服用方法に問題があったケースが含まれていた。なお,転帰は死亡1例,後遺症2例,回復または軽快11例,不明1例であり,死亡の1例は大量服用した症例,後遺症を残した2例はいずれも感染症を伴う発熱を有する症例であった.【結語】中毒を避けるためには患児の年齢と発熱時の投与に留意すること,また,中毒例の予後は比較的よいものが多い(11例/15例)ことがわかった.
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