【背景】食物負荷試験の具体的な方法について,実際の成績に基づいた検討は十分に行われていない.【方法】1歳以上の患児に対する牛乳,卵,小麦負荷試験のうち,生牛乳(133件,平均年齢2.7±1.9歳),ゆで卵白(216件,2.8±2.1歳),うどん(89件,2.7±1.7歳)を用いた延べ438件の成績を検討した.摂取は20分毎の漸増法(微量,1,2,5,10,20-30g以上)で行った.【結果】全体として151件(38.5%)が陽性で,食品別には牛乳35.8%,卵白42.4%,小麦33.3%であった.症状の内訳は皮膚症状76.2%,呼吸器症状32.5%,消化器症状27.8%,アナフィラキシーショック0.7%であった.陽性率は特異的IgE抗体価に伴って上昇したが,陽性者における誘発閾値量や症状の重症度と特異的IgE抗体価は有意な関連を持たなかった.負荷陽性者の10.6%に抗ヒスタミン薬,ステロイド又はアドレナリンの注射を必要とした.【結語】本法による食物負荷試験は概ね有効かつ安全に施行された.
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