【背景・目的】吸入剤の多くがドライパウダー型(DPI)となり,対象は喘息発作やCOPDにまで拡大されている.多様な病態に多種類の吸入器具を組み合わせる上で,器具の最低吸入気流速度は重要であるが,客観的な比較や指標はない.本研究では我が国で使用されているDPIの吸入特性を測定し,吸入圧による指導の指標を提供することを目指した.【方法】7種類の吸入器具からさまざまな気流速度(flow)で吸引を行い,吸引時の陰圧(P_I)を測定しP_Iとflow^2の関係を直線回帰した.【結果】すべての吸入器具でP_Iとflow^2は極めて高い直線関係が得られた.近似直線の勾配と切片はパルミコート^[○!R]用Turbuhaler^[○!R] 79.26(l/s)^2/cmH_2O,626(l/s)^2,シムビコート^[○!R]用Turbuhaler^[○!R] 88.99,688,Twisthaler^[○!R] 56.37,478,Diskus^[○!R] 125.98,872,Diskhaler^[○!R],166.98,780,Handihaler^[○!R] 54.88,498,Clickhaler^[○!R],78.37,452で,これらの数値からP_I-flow関係の放物線グラフを作成した.【結語】さまざまなDPIからの適切なflowを指導するのには吸入圧を示すことが理解を得やすい.Turbuhaler^[○!R],Twisthaler^[○!R]などの抵抗値の高いDPIでは吸入力が十分に保たれている増悪早期の対応が重要である.
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