【背景・目的】近年,スギ科・ヒノキ科のみならず他の花粉症患者の受診が増えている.静岡県伊東市(東経139度6分・北緯34度5 分)における樹木花粉飛散数を12年間計測した.花粉症の予防・治療に役立てたい.【方法】ダーラム型花粉捕集器を伊東市内3階建ビル屋上に設置し,花粉飛散数をスギ科・ヒノキ科,カバノキ科・ニレ科,ブナ科,マツ・マキ科に分けて測定した.1月〜6月の樹木花粉飛散期について,花粉飛散数と気象との関係を検討した.【結果】それぞれの総花粉飛散数の平均と標準偏差は7079±6503個/cm^2, 502±146 個/cm^2, 891±480個/cm^2, 906±481個/cm^2であった.スギ科・ヒノキ科,力ノべノキ科・ニレ科の花粉飛散数は前年夏の気象と相関を認めた.春季のスギ科・ヒノキ科花粉飛散数は日々の気象に左右されたが,マツ・マキ科,ブナ科の花粉飛散数は気象条件との間に相関を認めなかった.【結語】伊東市における花粉飛散数と気象との関係を検討した結果,スギ科・ヒノキ科,力バノキ科・ニレ科では相関を認めたが,マツ科・マキ科,ブナ科では相関を認めなかった
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