【背景】重症喘息に対するオマリズマブ投与は呼吸機能の改善を認めない症例においても自覚症状を改善させることが報告されている.【目的】オマリズマブの有用性について, ACT : Asthma Control TestおよびAHQ-JAPAN : Asthma Health Questionnaire-JAPANを用いて検討した.【方法】オマリズマブを投与した難治性喘息患者13例において,投与前および投与後4週毎16週までの呼吸機能, ACT, AHQ-JAPANを測定した.投与開始から16週間と前年同時期の増悪関連イベントおよび使用した薬剤の比較,呼吸機能とACT, AHQ-JAPANとの相関を検討した.【結果】オマリズマブ投与による呼吸機能の改善はみられなかったが, ACTおよびAHQ-JAPANは有意な改善が認められた(p<0.01). AHQ-JAPANの各項目に関しても大半の項目で有意に改善した.また,オマリズマブ投与後16週間と前年同時期を比較したところ,点滴ステロイド投与量,予定外受診回数の有意な減少が認められた(p<0.01). ACTとAHQ-JAPANに強い相関が認められたが(R2=0.741), 2種のQOL評価表と呼吸機能の間には相関はみられなかった.【結語】オマリズマブ投与による呼吸機能の改善はみられなかったが, ACTおよびAHQ-JAPANは有意な改善が認められた.
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