【目的】エピペン^[○!R]を処方された食物アレルギー小児の臨床的特徴や,エピペン^[○!R]活用の実態を探る.【方法】当院におけるエピペン^[○!R]処方例について,その臨床的特徴,アナフィラキシー例におけるエピペン^[○!R]の活用状況を検討した.【結果】エピペン^[○!R]処方例は総数で139例であった.処方のきっかけとなった食物は鶏卵,牛乳,小麦の順に多かった.喘息,アトピー性皮膚炎,他の食物アレルギーの合併は各々49例(35.3%),68例(48.9%),102例(73.4%)に見られた.臓器別の症状内訳では皮膚が94.2%で最も多く,次いで呼吸器78.5%,消化器28.1%,循環器24.8%であった.エピペン^[○!R]処方後に誘発症状を起こした24例のうち,エピペン^[○!R]使用例は6例(25%)にとどまった.不使用18例の理由は,注射行為への不安8例,不携帯5例,内服のみで改善3例,すぐ救急受診2例であった.【考察】エピペン^[○!R]処方後の必要時に実際の使用率は低く,必要時に抵抗なく使用できるよう指導の工夫が必要である.
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