【背景】ドライパウダー吸入器(DPI)での吸入指導にはトレ一ナー(TRN)が用いられているが,実際の吸入に対する特性は未解明である.【方法】5名の被験者にディスカス^[○!R],タービュヘィラー^[○!R](シムビコート^[○!R]およびパルミコート^[○!R])用,ツイストヘラー^[○!R]用TRNから様々パターンの吸入をさせ,吸入気流速度(flow)と発生音を記録した.【結果】気流吸入パターンは,最適,台形,ピーク遅延,その他に分かれた.各TRNの発音閾値は指導に必要な精度を有していた.ディスカス^[○!R]用TRNでは発生音の強度とflowは相関し,発生音から吸入パターンの推測が可能と思われた.タービュヘィラー^[○!R]用,およびツイストヘラー^[○!R]用TRNの発生音はflowが閾値を越えると,一定強度の発音が持続するため,患者の理解を得やすい.速く強い吸入時に各TRNは吸気開始0.19〜0.24秒後に発音し,薬剤放出のピークに近い時相の気流速度を示したが,ピークが遅延する吸入では10%程度低い気流で音が発生した.【結語】吸入指導は吸入気流速度の確認だけでなく,各TRNの特性を理解して行うことが重要であり,早期に気流のピークが出現する吸入パターンの指導も重要である.
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