【目的】鶏卵アレルギー診断におけるアラポート
®HRTの有用性を検討する.【方法】鶏卵負荷試験を施行予定の患者51名にアラポート
®HRTを施行した.採血は負荷試験前3カ月以内に施行し,アラポート
®HRTおよび特異的IgE抗体価を測定した.アラポート
®HRTの診断効率及び誘発症状の重症度との相関を求めた.【結果】51名のうち負荷試験結果が確定できなかった3名,low responder(抗IgE抗体によるヒスタミン遊離率20%未満)であった13名を除外した35名(年齢中央値4歳)を解析対象とした.負荷試験陽性は23名,陰性は12名であった.負荷試験陽性群では,非特異的ヒスタミン遊離量,卵白及びオボムコイド(OVM)刺激によるヒスタミン遊離率(%HR)が有意に高かった.ROC分析では刺激濃度が卵白:6ng/ml(AUC=0.9601),OVM:3ng/ml(AUC=0.9022)で最も診断効率が良く,同濃度での%HRのcutoff値を卵白:15.0%,OVM:3.7%とするとそれぞれ感度が卵白:95.7%,OVM:91.3%,特異度がEW:83.3%,OVM:58.3%であった.また,この濃度における%HRは負荷試験による誘発症状の重症度と相関していた.【結語】アラポート
®HRTは鶏卵アレルギーの診断に有用で,誘発症状の重症度予測にも利用できる可能性が示唆された.
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