アレルギー
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64 巻, 5 号
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専門医のためのアレルギー学講座 ―第18回 免疫療法
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
原著
  • 小牧 千人, 丹羽 崇, 井上 洋介
    2015 年 64 巻 5 号 p. 707-713
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    【目的】ステロイドパルス療法抵抗性の特発性間質性肺炎の急性増悪症例に対するエンドトキシン吸着療法と血液濾過透析の併用血液浄化療法の効果を検討した.【方法】ステロイドパルス療法でPaO2/FiO2比の改善のみられない症例を対象とし,エンドトキシン吸着療法と血液濾過透析の併用血液浄化療法を施行した6例を血液浄化群,同病態で血液浄化未施行の15例を対照群として治療成績を検討した.【結果】血液浄化群ではPaO2/FiO2比は対照群に対し高値を示した.28日生存率は83%(5/6)vs20%(3/15),90日生存率は67%(4/6)vs 6.7%(1/15)と血液浄化群が高かった.90日までの生存曲線ではハザード比0.260で血液浄化群が良好であった.【結論】エンドトキシン吸着療法と血液濾過透析の併用血液浄化療法は,特発性間質性肺炎の急性増悪に対して有効である可能性を示した.
  • 川口 隆弘, 二村 昌樹, 北沢 博, 大矢 幸弘
    2015 年 64 巻 5 号 p. 714-720
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】食物アレルギー患者は必ずしも食物経口負荷試験や医師の指示の下に食物除去をしている患者ばかりではない.そこで,家族の判断による過剰な食物除去の実態と除去している理由(その判断者)を調査した.【方法】2011~2013年,食物アレルギーで当院を受診した1歳以上の初診患者を対象に,9種類の食物について完全除去の有無と除去理由(未摂取,家族判断,医師指示)を問診票で調査した.また,食物抗原特異的IgE抗体陽性者率と除去理由との関係も検討した.【結果】対象となった患者は463人であった.すべての食物で完全除去の割合は低年齢ほど高かった.鶏卵,牛乳,小麦の完全除去は医師指示に基づくものが多かったが,そばは半数以上が医師指示に基づかない完全除去をしていた.また,そば,ピーナッツ,エビを医師指示以外で除去している患者では,特異的IgE抗体陽性率が半数以下と低かった.【結語】医師の指示に基づかないで完全除去をしている患者が多く存在した.患者の除去食について,医師による再評価が必要であると思われた.
  • 津村 由紀, 世間瀬 基樹, 千葉 剛史, 成田 雅美, 二村 昌樹, 大矢 幸弘
    2015 年 64 巻 5 号 p. 721-732
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    【目的】食物アレルギーは小児に高頻度にみられる疾患であるが,食物負荷試験に基づく正しい診断や,アトピー性皮膚炎合併例に対する適切なスキンケアと不要な除去食回避の重要性といった新しい診療指針についての実践は不十分である.食物アレルギー診療の研修プログラムを開発し,有用性を検討した.【方法】2013年1月から2014年1月,国立成育医療研究センターアレルギー科において,小児科医に対し5ないし10日間の研修を行った.研修プログラムは,過剰な除去食の解除,アトピー性皮膚炎へのスキンケア介入についての行動変容を目的とし,個別目標specific behavioral objectives(SBOs)と教育方略を設定して運用した.研修前後に学習評価と行動評価を行い,プログラム評価とした.【結果】35名が参加した.学習評価の22項目全てに評点の上昇がみられ,行動評価は7項目のうち5項目で診療行動に変化がみられた.【結語】小児科医に対し,食物アレルギー診療の研修プログラムを開発・実施し,終了後には知識スキルの向上と診療行動の変化を認めた.
アレルギー用語解説シリーズ
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