背景:MostGraph-01は,日本で開発された強制オッシレーション測定機器である.簡便に呼吸インピーダンスを測定できることから普及が期待されるが,体格の影響も示唆され,パラメーターの標準化が確立していない.目的と方法:本研究は,2014年1月から10月までスパイロメトリー,MostGraph-01を施行した呼吸器疾患のない外来患者63名に対して各パラメーターの相関を統計学的に分析し,肥満群(body mass index:BMI>=25),非肥満群(BMI<25)に群別し,相関の相違を検討した.結果:Rrs at 5Hz(R5),Xrs at 5Hz(X5),frequency of resonance(Fres),low-frequency reactance area(ALX)は,肺活量,努力肺活量,一秒量と有意に相関した(
p<0.05).非肥満群に比べ,肥満群はより低いX5,より高いFresおよびALXを示した(
p<0.05).また,Spearman順位相関分析の結果,肥満群に比べ,非肥満群では,肺活量,努力肺活量,一秒量がR5およびX5,Fres,ALXと高い相関を示した(
p<0.05).結論:肥満は呼吸インピーダンス,特にXrsに影響することが示唆された.
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