気道過敏性検査で用いられる薬剤として国外で承認販売されているメタコリン塩化物(Provocholine
®)について,日本における気道過敏性検査の承認を取得するため,メタコリン塩化物(治験薬コード:SK-1211)による気道過敏性検査の有効性,安全性ならびに薬物動態について検討を行った.【方法】15例の健康成人,15例の成人気管支喘息患者および10例の小児気管支喘息患者に対して,日本アレルギー学会標準法に準じて,SK-1211を用いた気道過敏性検査を実施した.【結果】PC
20の基準値を8mg/mLとした場合,成人気管支喘息患者における感度は66.7%(10/15例),健康成人における特異度は86.7%(13/15例)であった.また,小児気管支喘息患者における感度は70.0%(7/10例)であった.気道過敏性検査を実施した被験者に軽度の有害事象が認められたが,気管支拡張薬の使用により速やかに消失した.重篤な有害事象は認められなかった.【結語】SK-1211を用いた気道過敏性検査において,安全性に特別の懸念はなく,気道過敏性を確認するために有用な検査であると考えられた.
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