アレルギー
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68 巻 , 1 号
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専門医のためのアレルギー学講座 33.アレルギー疾患の治療薬最前線
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
原著
  • 春名 威範, 岡野 光博, 藤原 田鶴子, 檜垣 貴哉, 假谷 伸, 牧原 靖一郎, 金井 健吾, 橘 智靖, 松山 祐子, 小松原 靖聡, ...
    2019 年 68 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    【背景】パン製造従事者にみられる,小麦粉やライ麦粉の経鼻曝露による職業性アレルギー性鼻炎は,パン職人鼻炎(Baker's rhinitis)と呼ばれる.本疾患では,職場での継続的な抗原曝露は喘息を発症するリスクとなることが知られている.

    【対象・方法】症例は34歳,男性.パン製造に従事した2年後より就労時の鼻症状を生じた.小麦に対するアレルゲン検査が陽性で,さらに小麦エキスによる鼻粘膜誘発試験も陽性を示し,Baker's rhinitisと診断した.就労中の抗原除去・回避指導と薬物療法を行ったが特に鼻閉に対する効果は得られず,手術を施行した.術後症状は改善し,就労への支障は消退した.また観察した範囲内で喘息の発症は認めなかった.本症例における小麦粉抗原に対する特異的IgEおよび末梢血単核細胞応答を解析した.

    【結果】患者の特異的IgEはパン製造に供した6種類全ての小麦粉について,主に18kDaおよび30kDa付近の分子を認識した.さらに患者末梢血単核細胞はこれらの小麦粉抗原に対してIL-5およびIL-13を産生した.

    【結語】小麦粉の水・塩可溶性コンポーネントはBaker's rhinitisにおいて選択的に2型サイトカイン産生を誘導する傾向が示唆された.

  • 城 理沙, 伊藤 友章, 小林 知子, 三浦 太郎, 三島 史朗, 河島 尚志, 織田 順, 大久保 ゆかり, 坪井 良治
    2019 年 68 巻 1 号 p. 43-47
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    【目的】小児期以降のアナフィラキシー疫学的報告は少ない.当科で診断した症例を検討した.

    【方法】2011年1月~2017年3月まで,診断後アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)処方した132例を対象とした.紹介先,アナフィラキシー時の重症度,診断方法,原因抗原,再発率を調べた.

    【結果】医療機関からの紹介は54%で,本人の希望で受診した患者は46%であった.アナフィラキシー重症度は軽症と中等症で75%を占めていた.アナフィラキシー分類として,食物アレルギーが71%を占め,原因抗原として小麦が一番多く,次にアニサキスアレルギーであった.診断後定期的通院患者は37%と低く,診断後にアナフィラキシーを再発した患者は16例であった.

    【結語】当科で行ったアナフィラキシー原因抗原精査では,小麦とWDEIAが一番多かった.また本検討では,アニサキスアレルギーが15%と高く,抗原検索で重要項目の一つであると考えた.

症例報告
  • 外村 香子, 藤本 雷, 奥田 英右, 井庭 憲人, 坂本 幸子, 小杉 笑, 岸田 寛子, 松尾 裕彰, 片岡 葉子
    2019 年 68 巻 1 号 p. 48-53
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    症例は16歳男性,高校生.昼食後の体育の授業中に突然,全身に膨疹,掻痒感,呼吸困難が出現した.昼食の食材について皮膚テスト,血清検査,誘発テストの順に原因検索をおこなった.プリックプリックテストではブラックタイガー(生及び加熱),バナメイエビ(加熱)に陽性,抗原特異的IgE(ImmunoCAP®)はすべて正常範囲であった.アスピリン内服下エビ(ブラックタイガー,加熱)摂取後運動負荷試験により強いアナフィラキシー症状を呈し,エビの食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:以下,FDEIA)と診断した.さらに抗原解析により,本症例は40kDaタンパク質が原因抗原と考えられ,それをfructose1,6-bisphosphate aldolase(以下,FBA)と同定した.エビのFDEIAの診断において,現時点では病歴の確認と生・加熱双方を用いたプリックプリックテストが有用であり,抗原特異的IgEの精度は低い.今後原因抗原を明らかにし,コンポーネントアレルゲンを用いた抗原特異的IgE検査の開発が望まれる.

アレルギー用語解説シリーズ
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