アレルギー
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専門医のためのアレルギー学講座 34.免疫学における基礎と新たな展開
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
原著
  • 田中 裕也, 岡藤 郁夫, 大前 沙織, 水戸部 祐子, 土井 雅津代, 鶴田 悟
    2019 年 68 巻 6 号 p. 681-690
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/12
    ジャーナル 認証あり

    【背景】本邦ではダニ皮下免疫療法において,従来はハウスダスト抽出液が使用されていたが,2015年より標準化ダニ抗原が保険適用となった.

    【目的】小児への急速皮下免疫療法における標準化ダニ抗原(HDM群)とハウスダスト抽出液(HD群)の安全性,有効性を比較する.

    【方法】診療録より後方視的に検討した.対象はダニ感作のある小児65例(HDM群27例,HD群37例).安全性として全身反応の頻度を比較した.有効性としてアレルギー性鼻炎及び気管支喘息における治療開始1年での症状・服薬スコアの減少率を比較した.さらに総IgE,ヤケヒョウヒダニ(Der p)特異的IgE及びIgG4も検討した.

    【結果】両群間で治療開始前の背景に差はなかった.全身反応はHDM群44%,HD群14%でありHDM群で有意に全身反応が多かった.1年の治療期間におけるスコア減少率はアレルギー性鼻炎でHDM群57%,HD群40%,気管支喘息でHDM群66%,HD群36%でありHDM群で有意に減少率が高かった.HDM群でのDer p特異的IgG4は,HDM切替え前に比して有意な増加が認められた.

    【結論】小児への急速皮下免疫療法において,標準化ダニ抗原はハウスダスト抽出液と比べ優れた効果を示すが全身反応のリスクが高い.

  • 手塚 敏史, 阿部 あかね, 今倉 健, 稲山 真美, 葉久 貴司
    2019 年 68 巻 6 号 p. 691-695
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/12
    ジャーナル 認証あり

    【背景】肺結核治療開始後に臨床的または画像所見の増悪を認め,結核の再発や他疾患の存在が否定的である場合にparadoxical response(PR)と判断される.PRの多くは自然に軽快するが,びまん性肺胞傷害を呈し死亡する例も報告されている.

    【方法】2013年4月から2019年1月に当院にて加療を行った肺結核89例を後方視的に検討した.

    【結果】PRは21例(24%)に認め,治療開始後PRを確認するまでの中央期間は22日であった.PRの発現形式がびまん性陰影の場合は,早期に発現する傾向があった.治療開始時の血清アルブミン値が低く,LDH値やCRP値が高いもの,肺結核の陰影が一側肺を超えるものにPRを多く認めたが,排菌量や空洞性病変との関連性は確認されなかった.びまん性陰影を呈したPR症例では10例中6例が死亡していた.

    【結語】低アルブミン血症と一側肺を超える肺結核の陰影はPRのリスク因子であり,結核治療早期にびまん性陰影を呈するPRは予後不良である.

症例報告
  • 瀧上 絵里香, 瑞木 匡, 秋岡 親司, 糸井 利幸, 在田 貴裕, 沼 沙織, 加藤 則人, 細井 創
    2019 年 68 巻 6 号 p. 696-700
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/12
    ジャーナル 認証あり

    アトピー性皮膚炎及び気管支喘息は小児のcommon diseaseである.両者の経過中,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)を発症した女児を経験した.患者は1歳時にアトピー性皮膚炎,4歳時に乳幼児喘息と診断された.皮疹はステロイド外用薬で寛解が得られないものの苔癬化は来さず,網状皮斑を合併した.喘息は中用量の吸入ステロイド薬治療後に軽快傾向を示した.好酸球が5歳時に白血球の20%以上,8歳時に44%となり,10歳時に当院初診した.肺結節影,副鼻腔炎,皮膚の好酸球浸潤を伴う肉芽腫性血管炎所見より,EGPAと診断した.好中球細胞質抗体は陰性であった.心筋シンチグラフィで心筋障害を認めたが,多剤併用免疫抑制療法で1年後には消失した.EGPAは気管支喘息等が先行する稀な血管炎であるが,致死性の心病変を伴うため,早期診断が重要である.アトピー性皮膚炎及び気管支喘息として非典型な経過を示した場合は,本症に留意することが重要と思われた.

  • 浜田 佳奈, 笠井 和子, 佐々木 祥人
    2019 年 68 巻 6 号 p. 701-706
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/12
    ジャーナル 認証あり

    アトピー性皮膚炎では皮膚角質のバリア機能の低下があり,このため二次感染として皮膚および軟部組織感染が合併しやすいことが知られている.ときに二次感染を誘因として,菌血症を含めた全身感染症に移行することがある.今回,アトピー性皮膚炎の既存治療では十分な効果の得られない症例でStaphyrococcus aureusによる菌血症および付随する胸骨骨髄炎や感染性心内膜炎などの重症感染症を起こした既往のある2症例に対し,抗IL-4/13モノクローナル抗体(dupilumab)を導入した.2症例には基礎疾患に先天性心疾患が存在した.2症例ともにdupilumab導入後16週時点での皮膚症状は著明に改善した.皮膚や軟部組織の感染が基礎疾患の影響で重篤な感染症に進展するリスクがあるアトピー性皮膚炎の患者に対して,dupilumabの投与によりそのリスクを軽減できる可能性が示唆された.また治療方針に関して,各分野の専門家やかかりつけ医との連携が重要であった.

アレルギー用語解説シリーズ
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