アレルギー
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専門医のためのアレルギー学講座 38.アレルギー性肺疾患(類縁疾患)の基本から最新情報まで
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
原著
  • ―皮膚疾患に伴うそう痒を有する患者を対象にした国内第III相臨床試験のpost hoc解析―
    秀 道広, 平田 和也, 籠田 成靖, 久保 肇, 鈴木 貴雅, 田中 理華, 青木 寛
    2020 年 69 巻 3 号 p. 174-183
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/21
    ジャーナル 認証あり

    【背景】アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis,AD)に対するヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)の長期投与及び増量の有用性は明らかにされていない.

    【目的】ADに伴う瘙痒に対するルパタジン(第二世代抗ヒスタミン薬)の長期投与の有用性を検討する.

    【方法】ルパタジンの国内第III相臨床試験のpost hoc解析によりAD患者66例への1年間のルパタジンの投与の有効性と安全性を評価した.

    【結果】ベースラインの平均総そう痒スコア(total pruritus score,TPS,4.682)は,ルパタジン投与1週後に4.036,2週後に3.855,52週後に2.376へと低下し,ベースラインからの変化量は1週以降で有意であった.ルパタジンを増量した50例(4週以降増量例22例,2週後増量例28例)のベースラインTPSは10mg維持投与例(16例)に比べて有意に高かったが,12週以降のベースラインTPSからの変化量に有意差はなかった.副作用及び傾眠発現率は19.7%及び15.2%であった.

    【結語】ADに伴う瘙痒に対するルパタジン及びその増量の長期有用性が示された.

  • 香川 貴宣, 今村 友彦, 煙石 真弓, 田端 秀之, 古屋 博行, 新村 文男, 望月 博之
    2020 年 69 巻 3 号 p. 184-191
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/21
    ジャーナル 認証あり

    【背景】小児喘息患者における肺音解析の精度を向上させるため,気流量(flow:L/s)が肺音のパラメータに与える影響を検討する必要がある.

    【方法】コントロール良好のアトピー型小児喘息患者延べ61例(年齢の中央値;12歳)を対象とし,β2刺激薬吸入前後における一定の吸気流量における肺音スペクトラムの解析を行った.スパイログラムと強制オッシレーション法による肺機能測定も同時に行った.

    【結果】β2刺激薬吸入前後で,安静呼吸(1.0L/s)の肺音と比較し,やや強めの呼吸(2.0L/s)の肺音では,AT(全曲線下面積),F99(99%周波数)は有意に高値を示したが,肺音スペクトラムより算定した肺音パラメータでは両者に差は認められなかった.一方,1.0L/s の吸気流量ではβ2刺激薬吸入後の改善が大きく,肺機能検査との相関性も認められた.

    【結語】今回の検討により,安静呼吸での測定であればβ2刺激薬吸入後の変化は有意であり肺機能との相関性も高いことが確認でき,小児喘息患者の長期管理に活用できる可能性が示唆された.

  • 福永 淳, 森田 栄伸, 宮城 敬, 江藤 和範, 清水 晶, 加々美 新一郎, 山本 英子, Moshe Vardi, Yongqiang ...
    2020 年 69 巻 3 号 p. 192-203
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/21
    ジャーナル 認証あり

    【背景】遺伝性血管性浮腫(HAE)は,痛みと皮膚及び粘膜下組織の腫脹を伴う再発性発作を引き起こし,時に死に至る場合もある.

    【目的】6歳以上の日本人I型又はII型HAE患者を対象に,長期発作予防のための定期的治療及び定期的治療中の発作治療におけるC1-inhibitorC1-INH)製剤(試験薬)静脈内投与時の有効性,安全性及びPK/PDを評価する第III相単群非盲検試験(NCT02865720)を実施した.

    【方法】医療従事者又は患者が,試験薬1000Uを週2回12週間静脈内投与した.発作時も予防投与時と同じ用量を投与した.

    【結果】試験薬が投与された8名で,投与前3カ月間と比べて血管性浮腫の平均発作回数が減少し(3.375回/月,1.826回/月),血管性浮腫のための生活の質スコア(AE-QoL)では臨床的に意味のある減少(=QoL改善)が認められた.血漿中C1-INH活性値及びC1-INH蛋白濃度は試験薬投与後30分以内に上昇し,72時間後までベースラインよりも高値を維持した.試験薬の忍容性は良好で,臨床上問題となりうる新たな徴候は認められなかった.

    【結語】日本人HAE患者の長期発作予防と発作時の治療において,試験薬の有効性と安全性が示された.

症例報告
  • 岡部 永生, 佐久間 弘子, 竹田 悠佳, 鈴木 奈緒子, 増山 郁, 加藤 一夫
    2020 年 69 巻 3 号 p. 204-208
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/21
    ジャーナル 認証あり

    福島県郡山市在住の5歳女児.3月下旬から咳嗽を認めていた.4月中旬に咳嗽の増悪と38℃台の発熱,胸部X線上スリガラス陰影を認め,入院の上抗生剤治療を行った.第2病日には解熱し,徐々に呼吸器症状も改善したため第7病日に退院した.第8病日に症状の再燃を認め,第16病日に増悪したため再入院した.胸部CT上間質陰影の増強を認め,過敏性肺炎を疑いステロイド治療を開始した.症状は速やかに改善し,第21病日にステロイド治療を中止,第22病日に退院した.入院時の抗Trichosporon asahii抗体は陽性であり,夏型過敏性肺炎と診断した.問診から住宅は築8年の木造家屋で,カビの生えた加湿器を使用していたこと,築57年の木造家屋である祖母宅へ週1-4日程度訪問していたことがわかった.加湿器を使用しないことと,祖母宅への訪問を控えるように指導したところ,症状の再燃はなかった.祖母宅の環境調査と環境誘発試験を行ったところ陰性であり,加湿器が発症環境であった可能性が示唆された.HLAの検索では,夏型過敏性肺炎の発症に関与するとされるHLA-DQ8を保有していた.

  • 林 綾乃, 深井 和吉, 小林 征洋
    2020 年 69 巻 3 号 p. 209-212
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/21
    ジャーナル 認証あり

    症例は28歳男性,製造業.昼食時琵琶湖の小鮎あめ煮®を2尾摂取直後に胃痛が出現し,胃薬を内服した.1時間後に顔面に瘙痒伴う発赤が出現し,呼吸困難となり救急搬送された.食材について皮膚テスト,血清検査による原因検索を行った.皮膚プリックテストでは琵琶湖のコアユ・エビ・カニ・イカに陽性を示し,一般的なアユや他の魚類は陰性であった.抗原特異的IgEではエビ・カニ・ダニ・ガ・ユスリカ・ゴキブリに陽性を示したが,rGad c 1(タラパルブアルブミン),rPen a 1(エビトロポミオシン)の各アレルゲンコンポーネントは陰性であった.またELISAではコアユ・アユ・マサバの抽出液およびマサバパルブアルブミン・マサバコラーゲンの反応はみられなかった.以上より琵琶湖のコアユによるアナフィラキシーと診断した.琵琶湖のコアユによるアレルギーは本症例が初めての報告である.コアユ特有の原因抗原が存在する可能性が考えられた.

  • 村上 洋子, 杉山 晃子, 出口 秀治, 村上 至孝, 網本 裕子, 西江 温子, 小田嶋 博
    2020 年 69 巻 3 号 p. 213-217
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/21
    ジャーナル 認証あり

    【背景・目的】痒疹結節は硬い疣状の結節を示し,孤立性で融合しない湿疹で,強い瘙痒を伴う.痒疹結節はアトピー性皮膚炎(AD)に合併することがあり,難治性といわれている.

    【症例】痒疹結節を伴うAD児3例(1)9歳男児,2)11歳女児,3)8歳男児)を経験した.当科初診時のEASIは,それぞれ1)27.7点,2)30.6点,3)49.0点と重症であった.いずれも長期間のベリーストロング以上のステロイド外用薬を要し,経過中に副作用である皮膚線条,二次性副腎皮質機能抑制がみられた.また,瘙痒が激しく日常生活の質(QOL)の低下がみられた.1),2)ではシクロスポリン(CyA)内服を追加し,3)では15歳時にデュピルマブ皮下投与を行い,改善傾向が得られた.

    【考察】CyA,デュピルマブは小児には保険適応外であるが,副腎抑制などステロイド薬の副作用をきたし,QOLの障害がある症例では,ステロイド外用療法のみではなく,他の治療を検討する必要がある.

    【結論】今回有効であったCyA,デュピルマブなどは,今後小児AD適応拡大が期待される.

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