アレルギー
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71 巻, 10 号
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専門医のためのアレルギー学講座 49.成人喘息の基本知識から最新情報まで
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
症例報告
  • 福西 芳子, 牧野 英記, 山本 遥加, 長井 敦, 菊池 泰輔, 梶原 浩太郎
    2022 年 71 巻 10 号 p. 1214-1219
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/22
    ジャーナル フリー

    症例は56歳女性.肺非結核性抗酸菌症(nontuberculous mycobacteriosis:NTM)にアレルギー性気管支肺真菌症(allergic bronchopulmonary mycosis:ABPM)を合併したため,PSLによる治療を行った.開始後,呼吸器症状と好酸球数,浸潤影は改善したが,PSLを減量中止したところ好酸球数は再上昇し,浸潤影が出現した.NTMの増悪も懸念されたため,PSLの再投与は行わずBenralizumabを投与したところ呼吸器症状と好酸球数は改善した.しかし,浸潤影は残存したため再度PSLを併用したところ陰影の消失がみられた.減量中止したがその後は陰影の増悪はなく再燃はみられていない.近年,ABPMに対する生物学的製剤の臨床的有用性が報告されているがエビデンスは十分ではない.さらに,NTMの増加に伴いABPMとNTMの合併例の増加が予想されるが,両者の合併例に対する生物学的製剤の報告は非常に稀である.治療方針の決定においては,感染症合併リスク,抗真菌薬との相互作用,steroidsparing効果を考慮する必要がある.今後症例の蓄積により,NTMとABPMの合併例への治療法が確立することが望まれる.

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