アレルギー
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専門医のためのアレルギー学講座 47.膠原病とアレルギー
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
原著
  • 伊東 彩香, 三好 昭暉, 豊田 光, 鈴木 有季, 上原 有貴, 服部 沙耶, 竹下 裕理, 酒瀬川 裕一, 倉持 美知雄, 小林 このみ ...
    2022 年 71 巻 3 号 p. 210-220
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル 認証あり

    【背景・目的】重症喘息に対して4種の生物学的製剤が承認されている.重複適応患者が存在するが,4剤について重複適応比率を検討したわが国からの報告はない.国によって適応基準や使用可能薬剤が異なるため,わが国での検討が必要である.重複適応比率及び,適応状況別の患者背景を比較した.

    【方法】対象は,当院通院中の喘息患者233例のうち,治療下での重症度が重症持続型に該当する100例.2014年4月までの時期にIndex dateを設定し,臨床情報を診療録から調査した.薬剤の適応基準は,生物学的製剤の適正使用ステートメントに準じた.

    【結果】全薬剤適応患者比率は30%,全薬剤非適応患者比率は11%であった.全薬剤適応患者では,1秒量低値,頻回増悪,血中好酸球数,呼気一酸化窒素濃度,血清ペリオスチン高値の特徴を有した.

    【結語】全薬剤適応患者は,コントロール不良で,2型炎症が強いことが示された.重複適応患者における薬剤選択方法の確立と,2型炎症を有しない全薬剤非適応患者に対する治療開発が今後の課題である.

  • 吉田 之範, 深澤 陽平, 九門 順子, 山口 智裕, 上野 瑠美, 釣永 雄希, 中野 珠菜, 重川 周, 高岡 有理, 亀田 誠
    2022 年 71 巻 3 号 p. 221-230
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル 認証あり

    【背景】海外では気管支喘息(喘息)児の学童期初期の肺機能は思春期年齢の寛解率に影響すると報告されているが,我が国における報告はない.

    【目的】喘息児の学童初期の肺機能が思春期頃の喘息治療に及ぼす影響について検討する.

    【対象】2018年3月31日(調査時点)で16~18歳で当科に喘息で通院中の患者の中で,6歳以下から通院していた38名.

    【方法】調査時点の治療ステップ(ステップ)を調査し,ステップ1~4の4群に分け6歳時の肺機能を比較した.

    【結果】調査時点のステップ毎の人数は,ステップ1:11名,ステップ2:13名,ステップ3:6名,ステップ4:8名であった.6歳時点の肺機能のFEV1.0%はステップ1:88.4%,ステップ2:89.1%,ステップ3:86.9%,ステップ4:80.9%であった.%V50はステップ1:115.2%.ステップ2:107.9%,ステップ3:108.2%,ステップ4:69.9%であった.FEV1.0%,%V50ともに,ステップ4とステップ1(p<0.01),ステップ4とステップ2(p<0.05)であった.

    【結論】思春期頃の治療ステップが4の患者はステップ1,2の患者と比べて,6歳時点で肺機能が低下していた.学童初期の肺機能は思春期年齢での喘息治療レベルの予測因子になる可能性がある.

  • 杉崎 千鶴子, 佐藤 さくら, 柳田 紀之, 海老澤 元宏
    2022 年 71 巻 3 号 p. 231-241
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル 認証あり

    【背景】医薬品はアナフィラキシー(以下,AN)の主な誘因の一つであるが,日本の全国的なデータベースを用いた医薬品ANに関する疫学調査の報告はない.

    【目的】医薬品副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database:JADER)をもとに医薬品によるANの詳細を解析する.

    【方法】2004年4月~2018年2月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ報告され,JADERに登録された医薬品による副作用が疑われた症例のうち,発生時期が2005年1月~2017年12月のAN症例を対象とした.薬効分類は日本標準商品分類を用いた.

    【結果】解析対象は16916例で,そのうち死亡例は418例(2.5%)であった.AN症例及び死亡例の頻度は人口10万人あたり平均1.03例/年,平均0.03例/年で,AN症例ではX線造影剤を含む診断用薬(20.3%),血液製剤類を含む生物学的製剤(20.1%)の頻度が高く,死亡例では診断用薬(28.7%),抗生物質製剤(23.9%)の順であった.

    【結語】わが国の13年間の医薬品AN及びAN死亡例の頻度に変化を認めなかった.薬効分類では診断用薬,生物学的製剤の頻度が高く,診断用薬,抗生物質製剤による死亡例が多いことが明らかになった.

症例報告
  • 杉山 智宣, 吉田 沙絵子, 菊地 さおり, 飯野 ゆき子
    2022 年 71 巻 3 号 p. 242-247
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル 認証あり

    好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は抗好中球細胞質抗体関連血管炎に属する疾患であり,気管支喘息や副鼻腔炎が先行し,後に発熱,体重減少や末梢神経障害などの血管炎症状で発症する.滲出性中耳炎,急性感音難聴などの症状を呈することもある.今回,中耳炎,副鼻腔炎を伴うEGPAに対してbenralizumabを使用し,著効した症例を経験した.症例は39歳,女性.既往歴に37歳発症の気管支喘息,副鼻腔炎,滲出性中耳炎を認めた.その後,EGPAと診断され,プレドニゾロン(PSL)にて治療開始となった.治療中に滲出性中耳炎が再燃,難治性のため当科紹介となった.PSL投与で経過観察をしていたが,滲出性中耳炎の増悪や骨導閾値上昇が出現するなどコントロールは不良であった.重症気管支喘息コントロール目的にbenralizumabの投与が開始された後,気管支喘息,副鼻腔炎,中耳炎の改善を認めコントロール良好となった.これまでにEGPAに合併した上気道病変に対するbenralizumabの有効性に関する報告はなく,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症による副鼻腔炎,中耳炎に対してもbenralizumabが有効である可能性が示唆された.

  • 百々 菜月, 土井 圭, 田中 裕也
    2022 年 71 巻 3 号 p. 248-253
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル 認証あり

    【背景】長時間作用性抗コリン薬(LAMA)は成人の気管支喘息長期管理薬として使用されているが,本邦で小児への適応はなく,報告も少ない.しかし,重症気管支喘息例,アトピー素因がない症例では現行治療ではコントロールに難渋することがある.今回,小児乳幼児喘息患者にLAMAを導入したので経過を報告する.

    【症例】4例のうち女児3例,1~3歳時に乳幼児喘息と診断され,3~5歳でLAMAを導入した.3例はアペール症候群,ヌーナン症候群等の基礎疾患のある非IgE関連喘息,1例は基礎疾患のないIgE関連重症喘息であった.全例中用量~高用量の吸入ステロイド(ICS)等で長期管理薬を行っていたが,入院や集中治療管理を繰り返すこともあるコントロール不良な重症持続型,最重症持続型の気管支喘息であり,また分泌物コントロールに難渋した例もあり,LAMAとしてチオトロピウム(Tio)2.5μg/日を導入した.全例Tio導入後には入院を要する急性増悪はなく,喘鳴が出現する回数も軽減した.また,最長19カ月投与したが副作用はなかった.

    【結語】乳幼児喘息でもLAMAの有効性が示唆された.

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