アレルギー
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綜説
原著
  • 佐藤 さくら, 福冨 友馬, 杉崎 千鶴子, 鈴木 慎太郎, 矢上 晶子, 柳田 紀之, 海老澤 元宏
    2024 年 73 巻 10 号 p. 1200-1209
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/13
    ジャーナル 認証あり

    【背景】わが国における成人の食物アレルギー(FA)診療の実態を明らかにする.

    【方法】2021年10月から12月に日本アレルギー学会のアレルギー専門医教育研修施設(819施設)を対象に,2019年度のFAの診療状況についてアンケート調査を実施した.

    【結果】対象819施設中,小児もしくは成人FA診療実施施設が33%,未実施施設が8%,未回答が59%であった.成人FA診療実施施設は24%,診療科別には皮膚科45%,小児科37%,耳鼻咽喉科16%,内科14%,眼科0%であった.FA診療実施273施設の成人FA患者総数は9260名(小児期発症37%,成人発症63%)で,小児期発症例の99%は小児科で診療されていた.食物経口負荷試験(OFC)は198施設(73%)が実施可能で,診療科別には小児科94%,皮膚科66%,内科30%,耳鼻咽喉科0%であった.成人のOFC実施数は934件で,63%が小児科で実施されていた.

    【結語】日本の成人FA患者に対する医療提供体制は未だ十分に整備されておらず,小児期発症例の移行期医療も進展していないことが明らかとなった.OFC実施を含めた成人FA患者への医療支援の強化と円滑な移行期医療の確立が求められる.

症例報告
  • 籠谷 領二, 南條 加奈, 山田 紗依子, 小川 慶, 西嶌 大宣, 土屋 遥香, 藤尾 圭志, 近藤 健二
    2024 年 73 巻 10 号 p. 1210-1215
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/13
    ジャーナル 認証あり

    好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は,全身の血管炎により気道,消化管,末梢神経,皮膚などに様々な症状を引き起こす好酸球増多性疾患である.今回,EGPAに伴う副鼻腔炎に対して内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を行い良好な結果を得た症例を経験した.症例は49歳,男性.48歳時に気管支喘息を発症し,その1年後に当院でEGPAと診断,prednisolone(PSL)とmepolizumabによる治療開始となった.血管炎症状と末梢血好酸球増多は改善したが,治療開始から1年経過後,鼻閉と嗅覚障害が徐々に増悪し,鼻茸を伴う副鼻腔炎の増悪を確認した.Betamethasone点鼻による保存的治療で改善を認めなかったため,最終的にはESSを施行した.術後1年間,副鼻腔所見と嗅覚障害は改善維持している.ESSはEGPAに伴う副鼻腔炎の制御に寄与する治療法の1つと考えられた.

アレルギー用語解説シリーズ
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