【背景】アレルギー患者に対してワクチンの接種を安全に施行することは新型コロナウイルス感染症の管理上非常に重要である.アナフィラキシーの高リスクと目されていた患者に対してCOVID-19ワクチンを当院で接種し,接種した対象者の後方視的検討から,同ワクチン接種後の即時型アレルギー症状の発現頻度と安全性について調査した.
【方法】対象は接種後の即時型アレルギー発症リスクが高く,地域の接種会場では接種が危険とされ,地域医師会や院内から依頼のあった症例とした.当科外来にてアレルギー指導医の監督下でPfizer-BioNTech社のCOVID-19ワクチンを接種した.
【結果】49例の高リスクの患者がCOVID-19ワクチンの接種を受け,5例にアレルギー様反応がみられ,1例がアナフィラキシーと診断された.
【結語】COVID-19ワクチンに対するアレルギー反応の割合は,アレルギー体質の患者で多いとされるが,重篤なアナフィラキシーが認められず,慎重な事前評価のもとで接種できる可能性が示された.但し,アナフィラキシー発症頻度は一般人口よりも多いため,注意を要する.
クルミとカシューナッツのアレルギーは増加しており,クルミは令和5年3月より特定原材料として表示義務が課せられるようになり,カシューナッツは令和7年度内に表示義務化される見通しであるが,どちらも表示義務は対面販売では免れている.ナッツ類の混入を警戒していたが,アナフィラキシーもしくは即時型アレルギーを呈した2例を報告する.
【症例1】クルミアレルギーが懸念される児が,クルミを使用していないと思い購入した「ピーナッツクリームパン」を個人経営の対面店舗で購入し摂取したところ,アナフィラキシー症状を認めた.後日,店舗に問い合わせしたところ,クリームにクルミペーストを混ぜていることが判明した.
【症例2】カシューナッツでアナフィラキシー既往の児が,チェーン店の対面店舗でカレーパンを購入する際に,カシューナッツの使用について確認した際に大丈夫な旨の回答を受けていたが,摂取後に即時型アレルギー症状を認めた.後日,販売店の本社に問い合わせたところ,カシューナッツを使用していることが判明した.ナッツ類アレルギーの児では原材料表記や店頭での確認の指導はもちろんのこと,含まれうる加工食品についてより具体的な啓蒙も重要になると思われた.