芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
10 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
エンタテインメントコンピューティング2010発表論文特集
  • 吉元 俊輔, 濱田 友貴, 徳井 隆博, 末竹 哲也 , 井村 誠孝, 黒田 嘉宏, 大城 理
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 204-214
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究では力触覚エンタテインメントの要素として独特な感覚の創出・再現性・インタラクティブ性に注目し,力触覚の生成・調合システム“Haptic Canvas”を構築した.特に粘性や剛性を適度に含む独特な力触覚表現として,ダイラタント流体を用いた力触覚提示装置による触覚の調合を可能にした.ユーザは片栗粉粒子のフィルタ及び水の吸入出機構を備えた装置を手に装着し,水槽中に敷き詰められたダイラタント流体中で力触覚インタラクションを行う.開発した装置によって提示可能な感覚様式である,“粘着感”,“硬さ感”,“粗さ感”を仮想的な触覚のもととして導入することで,ユーザの操作に応じた感覚の生成・調合が可能となった.生成される感覚よりシステムの評価を行ったところ,触覚の調合が可能であることが示唆された.また,多くの体験者によって,力触覚の調合と独特な力触覚表現が高く評価された.
  • 井村 誠孝, 浦西 友樹, 池田 聖, 眞鍋 佳嗣, 大城 理, 千原 國宏
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 215-225
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    平城京ウォークスルーは,「古の奈良の都」平城京の街並みをコンピュータ・グラフィクスで再現し,その中をバーチャルに散策することを可能とするシステムである.提案システムは,様々な環境での体験展示の実施を考慮し,画像提示および入力インタフェイスの両処理において柔軟な機器構成を可能とする分散型の構成を取っている.都市の規模をユーザが感じられるようにするために,各辺が4km 強の平城京全域をルールベースの手続き型モデリングによって再現する.映像は没入型ディスプレイにより提示され,ユーザは足踏みなどの動作を行うことで,視点の移動と回転を制御する.ユーザの両踵を単眼カメラで後方から計測し,画像処理により得られる踵の上下運動と接地位置の時系列データを解析することにより,足踏みによる直感的な視点移動を実現する.
一般論文
  • 松尾 健司 , 萩原 将文
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 226-233
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

    本論文では、現実環境に情報を付加表示した拡張現実(AR:Augmented Reality)内で、エンタテインメントを求めたアクアリウムのシミュレーションシステムを提案する。WEB カメラでリアルタイムに撮影された利用環境に、コンピュータグラフィックスで作成された魚等の3D モデルを付加させた映像を、ディスプレイを通して映し出すことによりユーザがあたかも魚が身近にいるように感じられるようになっている。本論文では、エンタテインメントの要素として、「インタラクティブ性」と「コミュニケーション性」、「意外性」に着目してアプリケーションを実装している。「インタラクティブ性」に関しては、AR を用いる事で、リアルタイムに表示されるオブジェクトにユーザの操作を反映させている。 「コミュニケーション性」に関しては、ユーザどうしが魚を育成しあい、成長の過程をTwitter に書き込んで行く事で、ユーザ間の関わりができるようになっている。また、入力画像中の色情報より魚の選択が行われ、さらにユーザが発する音に応じて、虹が出現し「意外性」を表現している。評価実験により、「インタラクティブ性」、「コミュニケーション性」、「意外性」の点で、既存のアプリケーションよりも良い結果が得られた事が確認されている。

  • F. J. Menendez, O. Halabi, T. Fujimoto, N. Chiba
    原稿種別: research-article
    2011 年 10 巻 4 号 p. 234-240
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    In this paper we present an innovative way to combine a laser (vector) projector with a video (raster) projector, using the former to enhance or augment the 3D images projected with the latter. As we will show, two main problems arise from this setting. One is to find a relation between the video projector space and the laser projector space, so that we can transform pixels into laser coordinates. The second problem is related to hiding virtually occluded laser segments to create a seamless fusion of the two projected parts. Also, we apply a calibration technique to compensate visual deformations caused by projector placement and/or non-planar screens.
  • 古田 尚之, 水野 一徳, 今 佐和子, 西原 清一, 福井 幸男
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 241-250
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    近年, インターネット上のバーチャルシティや3次元ゲーム, 都市計画シミュレーションにおいて仮想都市の需要が高まっている. 著者らは, 実際の都市の特徴を持った, 自律的に変化する仮想都市を自動生成するシステムを構築中である. 本論文では, より現実に近い特徴を持たせた都市を生成するために, 都市内の区画の利用変化をセルオートマトン法を用いてシミュレーションを行なう方法を提案する. 本手法を現実の道路網に適用して, シミュレーションの様子を確認するとともに, 実際の都市の区画利用変化と比較した結果を示す. また,本手法を現在構築している仮想都市自動生成システムに組み込んで都市景観を生成することにより, シミュレーション結果の現実性の向上を図る.
  • 松尾 隆志, 三上 浩司, 渡辺 大地, 近藤 邦雄
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 251-262
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    2D アニメーションや漫画では,物体の形状をより効果的に表現するために,輪郭線の線質を変えるなどの誇張した表現で描くことがある.3DCG 上で2D アニメーションや漫画の表現を行うトゥーンレンダリングでは,輪郭線は容易な手法である均一な線で表現することが多い.本研究は,ゲームなどのリアルタイムコンテンツ内でのトゥーンレンダリングにおける物体の形状を考慮した輪郭線の誇張表現手法を提案する.本手法では,2D アニメーションの作画に用いるデザインやデッサンの手法である輪郭線の強弱の変化による形状の誇張表現に着目した.提案手法では,対象となる3 次元モデルのポリゴン形状が曲線を描く部分を特徴とし,その特徴に従って誇張表現を行った.また,モデルを構成するポリゴンをすべて裏返したモデルである,裏ポリゴンモデルを用いることで,形状に沿う連続した線の表現を行った.このことより,リアルタイム3DCG でのトゥーンレンダリングにおいて形状を効果的に表現する輪郭線の誇張表現を実現した.
  • 竹中 史雄, 藤本 忠博, 原美 オサマ, 千葉 則茂
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 263-275
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    電子付録

    本研究では,複数のカメラから取得した多視点カメラ映像をもとに,投影マッピングを利用した視体積交差法により,リアルタイムで対象物体の3次元形状を復元して描画する手法を提案する.本手法では,3次元空間上で複数の平板を平行かつ等間隔に並べた平行平板群を3軸方向に組み合わせたモデルによりボクセルモデルを疑似表現することで,ボクセルベースの視体積交差法を模擬する.各カメラ映像のフレーム画像ごとに,まず,前景(対象物体)ピクセルと背景ピクセルをα値で区別した投影用テクスチャを生成する.そして,グラフィックライブラリの投影マッピングの機能を利用して,各カメラの投影用テクスチャを各カメラ視点から平行平板群に対して投影し,全カメラの投影領域の積をα値の演算により求めることで,3次元空間上での物体の形状をビジュアルハルにより色情報とともに高速に復元して描画する.本手法は,通常のボクセルベース視体積交差法に比べて非常に高速であり,動きを伴う対象物体に対してもリアルタイムで仮想視点映像を生成することが可能である.

  • 小川 優樹, 松山 克胤, 藤本 忠博, 千葉 則茂
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 10 巻 4 号 p. 276-284
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本論文では,炎のスチル(2次元の静止画像)に対して,Beier らのモーフィング法を適用することで,炎の揺らぎアニメーションを生成する手法を提案する.このモーフィング法では,原画像と目的画像領域に,対応する制御線を配置することにより,画像の変形を指定する.ここでは,風や空気の乱れを1/fβノイズで表すことができると仮定し,制御線に揺らぎ運動を与えている.本手法により,軽風で観察される炎の揺らめきの表現が可能となり,また,複数のろうそくの炎の揺らぎの表現をリアルタイムに行うことが可能となった.
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