芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
17 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
一般論文
  • 羽田 久一, 大佐賀 彩佳
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    日常生活のなかに溶け込みやすいウェアラブルコンピューティングの技術として衣服や鞄といった布製品と電子機器の融合が行われている.このようなウェアラブルコンピューティング環境において衣服が古来より持っている機能をコンピュータの力をもって拡張することを目標として,衣服のパーツであるファスナーに着目した.ファスナーを用いた布製品の操作をコンピュータの入力に用いることにより,コンピュータを意識しない日常的な振る舞いをコンピュータへの入力として利用することが出来る.本論文では布製品を用いたコンピューティングにおいて自然な動作による継続的なアナログ入力を可能にする手法として,線ファスナーを入力装置として用いる手法を提案し,実装を行った.ファスナーのごく近傍にミシンを用いて導電糸を縫い付け,スライダーに加工を行うことで,ファスナーそのものの形状を変化させることなくファスナーの移動量を抵抗値として取り出すことが出来る.スライダーと同様の操作を実際の布の上で実現することによりウェアラブルコンピューティングにおける新しいインターフェースとして利用できる.
  • 熊野 雅仁, 橋本 和哉, 木村 昌弘
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 1 号 p. 8-25
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    近年,位置情報を付加できる携帯端末が増加してきたことに伴い,膨大な量の写真データがWeb空間に共有されている.それらの写真データには撮影位置・撮影時間・撮影者の情報が含まれているものもあり,データマイニング技術によって観光支援に応用することが注目されている.本研究では,ユーザによって訪れる訪問都市が選択されたとき,大量の位置情報及び撮影時間情報が付随した写真データを用いて,訪問都市に特有のシーズン群を検出し,それぞれのシーズンにおける主要撮影スポットを抽出することを考える.本論文では,これらの手法を適用した訪問都市の観光ダイジェストマップ構築法を提案する.そして,写真共有サイトFlickrの実データを用いた実験により,提案法の有効性を検証する.
  • 稲上 つくし, 佐々木 陽, 松山 克胤, 本村 健太, 今野 晃市
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    メディアアート作品「dewLight」は,傾きで音と光の色が変化する照明である.8つある照明は傾き具合によって音程や音量,光の色が変化する.8つの照明に,それぞれ「個性」を持たせて,傾き具合によって異なった変化を表現する.本作品は協調を主題とし,他の鑑賞者の存在及び自己と他者との関係性を作品の一要素ととらえる.体験者には作品を通じて,他者と関わることの心地よさや予期せぬ結果が生まれる面白さを感じ,楽しんでもらうことを目的としている.即興的な表現に対する美しさや可笑しさといった感性的な体験の共有から,ささやかな会話を生じさせるようなコミュニケーションを引き起こし,自己と他者との関係をポジティブに変化させる作品を目指す.
  • 中䑓 久和巨, 李 昇姫, 北島 宗雄, 星野 准一
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    文章を声に出して読む音読は幼少期に行う事で,社会で必要な表現力や想像力を支える基礎をつくるとされ,小学校では読解の授業で音読が多用されている.音読指導では,文章を読む際に相手が理解しやすいように読み方を調整する能力を重視する項目が多く見られる.しかし,児童が学校の授業以外で,聞き手を意識した音読を継続的に行う事は容易ではない.本稿では児童が音読を行う際に,家庭などでひとりでも楽しく音読ができ,聞き手を意識した音読を促す自律アニマトロニクス「KINIJRO」を提案する.
  • 石橋 賢, 韓 宇, 宮田 一乘
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 1 号 p. 41-51
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    本研究では,ラッピングにおけるリボンの装飾パターンに着目した印象調査とその可視化結果について報告する.リボンの装飾は,世界中で利用される一般的なラッピング様式であり,掛け方,結び方,配置を変化させるだけで,多様な印象を演出できる贈り物を彩る身近な芸術表現の一種でもある.リボンの掛け方,結び方,配置を変更することで,異なる印象を与えることができるものの,それらの印象に関する体系化された指標はないため,現状では個人の好み,あるいは,店舗ごとのコンセプトによって装飾している.そこで,リボンの装飾に関する印象を調査することで,各リボンの装飾パターンにおける印象の違いを明らかにすると同時に,その調査結果を可視化することで,一般の人々でも得られた知見を活用できる有益な情報を提供する.
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