芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
17 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
NICOGRAPH2018ジャーナルトラック論文
  • 水野 慎士
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 4 号 p. 72-82
    発行日: 2018/11/10
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本論文では,紙にペンで描かれた絵からの三次元CGシーンの生成とインタラクションを行う「不思議なスケッチブック」でのCG表現の拡張を行った.黒線で描画された輪郭検出を行うことで.従来システムでは困難であった複数の色で構成されたCG物体の生成を可能にする.また,輪郭形状を解析して,生成したCG物体の空間中の配置位置や動きを変更することも行った.黒線で囲まれない色領域については従来通りのCG物体生成を行うため,新手法と従来手法で生成したCG物体と組み合わせて,より多彩な三次元CGシーンの生成とインタラクションを行うことが可能となる.そして,システムを大規模イベントで活用するため,生成された三次元CGシーンを空間中に多数並べて鑑賞できるビューアを開発した.拡張した「不思議なスケッチブック」と三次元CGシーンビューアは多くの来場者があるイベントで展示されて,来場者と主催者に非常に好評であった.
  • 大谷 泰斗, 越智 景子, 大淵 康成
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 4 号 p. 83-93
    発行日: 2018/11/10
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    JackTopGuitarは,ギター・マイク・フットペダルを組み合わせたオーディオビジュアルパフォーマンスのためのデジタルミュージカルインタフェース(DMI)である.ボイスコマンド・ボイスジェスチャ・ギタージェスチャ・ペダル操作を組み合わせることで,投影映像や音楽シーケンサ・エフェクタなどの多様なパラメータをリアルタイムに操作することができる.これにより,即興性の高いオーディオビジュアルパフォーマンスが可能になる.演奏者は,伝統的なエレキギター演奏を踏襲したJackTopGuitarを使うことで,音声入力などを組み合わせたパフォーマンスシステムの制御を可能とし,演奏表現を拡張することができる.映像表現は,ギターや音声入力の演奏結果の単なる可視化ではなく,演奏と一体化したパフォーマンスの一部となる. 本稿では,JackTopGuitarの設計と実装について述べ,ライブパフォーマンスという過酷な環境下における音声認識率についての評価を行う.最後に,このDMIを利用したオーディオビジュアルライブパフォーマンスを行った後に,いくつかの問題についての議論と展望を述べる.
  • 稲上 つくし, 松山 克胤, 佐々木 陽, 本村 健太, 今野 晃市
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 4 号 p. 94-104
    発行日: 2018/11/10
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    本研究では,アート的思考に基づくアプローチを用いて,「人と人との距離感の接近」を主題に,5つのインタラクティブコンテンツ作品を制作した.本研究の目的は,同一の主題から発想された具体的なコンテンツ作品の制作を通じて,制作したインタラクティブコンテンツの特徴を調査・分析することである.調査については,制作した5つの作品間の類似性と相違性をリストアップし,挙げられた要素をグルーピングして特徴的な観点を抽出する.その結果,「体験者同士の親密の程度」,「作品の持つ共有性」,「コンテンツのメディア」,「作品のルールと特徴」の4つの観点が導出されたので,それぞれの観点から作品の分析を行う.また,作品の分析結果の活用方法として,インタラクティブコンテンツを発想するために,どのような情報が示唆できるかの議論も行う.
  • 矢野 緑里, 伊藤 貴之, 田中 裕介, 松岡 大祐, 荒木 文明, Tobias Czauderna, Kingsley Stephens
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 17 巻 4 号 p. 105-114
    発行日: 2018/11/10
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
    電子付録
    モード水は海水特性が一様な表層に位置する水の塊(表層水塊)である.その海水特性には大気の状態が反映されており,気候変動の分析に重要である.モード水はさまざまなパラメータで定義され,使用されるパラメータの閾値にもばらつきがあるため,同じモード水であっても定義の違いによって異なる形状として認識される可能性がある.そこで我々は,観測データとシミュレーションデータを対象としてパラメータの閾値別のモード水形状を生成し,その形状を比較する可視化手法を開発している.本論文では,VR空間でモード水形状の比較結果を観察するためのユーザインタフェースと,形状の特徴や差異を効率的に把握するための視点選択手法を提案する.本論文では,非類似度が小さい形状ペアと大きい形状ペアについての視点選択結果,およびそれを開始点としてVR空間を移動した実行結果を示す.本手法によって選択された視点を出発点としたVR空間の移動により,観察したい目的部位に簡易な移動操作で到達し,目的部位だけでなくその周囲も含めて容易に観察できることから,効率よくモード水形状ペアの特徴を比較できることを確認できた.
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